高校選抜大会決勝・カウンターが冴えた東福岡が62-10で快勝 2大会ぶり4度目の優勝を飾る | ラグビージャパン365

高校選抜大会決勝・カウンターが冴えた東福岡が62-10で快勝 2大会ぶり4度目の優勝を飾る

2014/04/07

文●斉藤健仁


4月7日(月)、3月30日から埼玉・熊谷ラグビー場で行われてきた第15回全国高校選抜大会は7日目(最終日)を迎え、東福岡(福岡)対桐蔭学園(神奈川)の決勝が行われた。同大会で過去3回優勝している東福岡は2大会ぶり4度目、初優勝を狙う桐蔭学園は7年ぶりの決勝進出となった。

トライを挙げる東福岡FB松尾

トライを挙げる東福岡FB松尾

試合開始早々、いきなり東福岡が攻勢をかける。相手のキックオフからNO8山田真生(3年)が抜けだし、最後はラックからLO今村陽良(3年)が飛び込んでトライ、SO松尾将太郎(3年)のゴールも決まり7-0と先制する。

快走するWTB高野蓮

快走するWTB高野蓮

東福岡は攻撃の手を緩めることなく、10分には自陣のラインアウトからボールを展開しWTB岩佐賢人(3年)が左隅にトライ(14-0)。12分には相手キックオフのボールから展開し、再びLO今村がトライ(21-0)。16分にはキックカウンターからWTB高野蓮(3年)が右隅にトライを挙げて28-0とした。

相手ディフェンスを突破する東福岡SO松尾

相手ディフェンスを突破する東福岡SO松尾

20分、桐蔭学園がゴール前からモールを形成し、HO眞壁照男(3年)がトライを挙げて28-5とした。だが、東福岡の集中力は途切れることなく、25分には敵陣ゴール前のスクラムからSO松尾、27分には三度、相手キックオフのボールをつないでWTB高野蓮が前半2本目のトライを挙げて、東福岡が38-5と大きくリードして前半を折り返した。

モールを押し込む桐蔭FW陣

モールを押し込む桐蔭FW陣

後半も東福岡の優勢は変わらない。後半4分はキックカウンターから、7分にはキックオフのボールをつないで「(パスで展開するだけでなく)自分で突破するのも好き」というSO松尾が連続トライ(50-5)。9分、桐蔭学園のHO眞壁に再びモールからトライ(55-10)を許したものの、11分にはキックカウンターからCTB山縣翔(3年)がトライを挙げて55-10と勝負を決定づけた。

相手のキックオフから突破する東福岡NO8山田

相手のキックオフから突破する東福岡NO8山田

東福岡は、特に、相手のキックオフからの展開や相手のキックからのカウンターアタックに冴えを見せた。「(BKには)長いパスを投げることができる選手がいますし、ボールを動かして走るのがうちのラグビーです。接点で勝てたからワイドにボールを動かせた」と藤田雄一郎監督が選手を称えれば、CTB永冨晨太郎(3年)は「(相手のキックオフからの攻撃では)BKラインにバックローの2人が入って広いラインを作ります。練習からやってきた形です」は胸を張った。

優勝を喜ぶ東福岡フィフティーン

優勝を喜ぶ東福岡フィフティーン

試合終了間際の30分には東福岡がラインアウトから展開し、途中出場のWTB安藤広晃(3年)が見事なステップを見せ、FB高野恭二(3年)のゴールも決まり、62-10でノーサイドを迎えた。東福岡はカウンターアタックを中心に10トライを重ねて快勝し、2年ぶり4度目の優勝を飾った。

4回目の優勝を遂げた東福岡

4回目の優勝を遂げた東福岡

選抜大会で初優勝することはできなかった桐蔭学園の藤原秀之監督は「準備不足だった。(東福岡とは)力の差がありました。ただ強いチームと試合ができたことはよかった。できることは徐々にやっていきたい。今年は小さいので走れるチームを作りたいが、1対1を強くしないと太刀打ちできない」と、個の強化を課題に挙げた。

2大会ぶり4度目の優勝を遂げた東福岡のFL古川聖人主将は「練習がやってきたことが出せました。優勝するために東福岡に入って、初めて優勝できてうれしい」、62得点中30得点を挙げたSO松尾は「昨年度は予選グループで敗退、(昨年度の)花園は準優勝だったので、優勝できて正直うれしかった」と笑顔を見せた。

チームを率いるようになって3年目の藤田雄一郎監督は「優勝はどの大会でもうれしいです。やってきたことが間違いないということが証明できたし、自信が付きました。(33失点した準々決勝の)尾道戦、(昨年度の花園のリベンジを果たした準決勝の)東海大仰星戦が良い経験になりました。今年のチームは相手のディフェンスに応じた攻撃ができる」と大会をふり返った。

古川主将は「選抜大会で日本一になることができましたが、目標は出場した大会に全部優勝することです」と言い、藤田監督は「次は(4月末から開催される)サックスワールドユースがあります。そこでも優勝目指して頑張ります」と、次大会に向けて気持ちを切り替えていた。

 

斉藤健仁
スポーツライター。1975年4月27日生まれ、千葉県柏市育ち。印刷会社の営業を経て独立。サッカーやラグビー等フットボールを中心に執筆する。現在はタグラグビーを少しプレー。過去にトップリーグ2チームのWEBサイトの執筆を担当するなどトップリーグ、日本代表を中心に取材。プロフィールページへ


 

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